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INTERVIEW インタビュー

  Chicken Lips Interview
Chicken Lips
JONNY (ジョニー)
DEAN (ディーン)
STEVIE (スティービー)
ANDREW (アンドリュー)
1. 自己紹介を簡単にお願いできますか?
Chicken Lips
JONNY (ジョニー) JO - ジョニーです。チキン・リップスのアルバムで歌ってます。スペイン人のハーフで、今、スペインに住んでますが、みんなと一緒に仕事を続けてます。彼らとは、とても長い付き合いで、彼らのアルバムで歌えてとても面白かったです
DEAN (ディーン) D - チキン・リップスのディーンです。プロデューサ ーで、ドラムも叩きます。
STEVIE (スティービー) S - スティービーです。ロンドンをベースにチキン・リップスの専属DJをやってます。そして単にハッピーな男です!
ANDREW (アンドリュー) A - アンドリュー(アンディ)です。キーボードと楽器を演奏して、音楽の制作やってます。
2. 「CHICKEN LIPS」の名前はどこから?
A - 飲み過ぎたり、吸い過ぎたりすると、口が上手く動かなったりしない?最後には「鶏」みたいにしゃべり始めたりしてさ。で、「チキン・リップス」かな!?
3. ロンドンとは?
S - お金があふれてるとこ! (笑) 音楽的に言うなら、世界中を飛び回ってると、他の人にハマったりして音楽的にインスパイヤーされる大都市のトップ3に入るね。ベルリンとかNEW YORKみたいに。ロンドンはとてもインスパイヤーされる街だよ。それにお金をよく使うところだね。
4.アンドリューとディーンはスタットフォード出身ですが、スタットフォードはどんなところですか?
A - インスピレーションは無いね。インスピレーションはレコードと音楽からくる。スタットフォードにはインスパイヤーもされないよ。ここに住むのは、物価が安くてお金がかからないんから。
S - 逆に、時々何かがよくなかったりすると、もっとインスピレーションがきたりするよね。とすると、ブルースから、もしかしてもっとインスピレーションわいてきたりして!
5. ジョニーはなぜスペインに?
JO - 長くイギリスに住んでいて、長く音楽を作っていると、やっばり、天気が一番苦手だった。唯一、イギリスのダメなところは天気がグレイで、ほとんどが曇り。僕は、青空、太陽が好きだからグレイには飽きたよ
音楽的にはスペインの方が刺激的?
JO - そうでもないよ、僕はスペイン人のハーフってこともあって、イギリスに住んでいた頃から、自分が持っているスペイン人の部分は既にあったんだ。唯一の違いは天気かな。
6. KINGSIZEとの出会いは?
A -飲みに行ったクラブで、友達を通じて知り合ったんだ。ちょうど、アルバムのディールを探していた時。KINGSIZEにデモを送った後、ある日、家まで車で送ってくれたことがあったんだけど、その時、車の中にビールがいっぱいあったのはよかったね!でも、音楽的に出会ったんだと思うよ。
KINGSIZEについて? なぜKINGSIZE?
A - KINGSIZEは僕らの音楽にとても興味を持ってくれていて、僕らと一緒に仕事をしたがってた。お金のことでも無かったんだ。彼らはファンだったんだよ。一緒に仕事をする上で、すごくいい人達なんだよね。初対面で、その人と気が合って、音楽的にも合うことって分るよね。だから、僕らは彼らと向き合えたんだ。
JULIAN (ジュリアン)は以前から知ってたの?
A - 知らなかった。ディストリビューションの会社で働いてる友達からKINGSIZEのことは聞いてたけど。KINGSIZEとは、とてもハッピーな関係だよ。
7. イギリスのシーンの状況とCHICKEN LIPSの音について Chicken Lips
D - チキン・リップスの音は常に、変化し続けていると思うよ。
S - 幅広く色んな違ったジャンルに入る音で、彼らは幅広い人達にアピール出来る才能を十分に持っていると思う。 「これがチキン・リップスのサウンドだ!」 と決定的に言えないけど、すごく上手に色んなスタイルをこなしてるよ。みんなも、そう思ってるくれてるんじゃないかな。彼らの音楽には必ずクラブ向け、車とホーム・リスニング向けのモノがあって、いつも上手くプロデュースされてる。それぞれが違うし、絶対に、若い子にはここまでの機材を揃えられないよね。それに、彼らの音は暖かいよ。
D - 暖かい音だね、アナログの機材で作られてるからさ。
S - ハッピーで変わってて、色んなジャンルの音楽ともクロスしてるし、カテゴライズできないよね。
D - ロック、ファンク、レゲー!
A - 今、バロックって言っただろ!
D - 実際、色んな要素が含まれてるんだよ。
JO - 彼らは、純粋に一つのジャンルだけでなく、色んな音楽を愛してるからかな。この二人を知ってから、色んな違う音を聴いているし、とても大切なことだと思うよ。バンドの名前はあえて言わないけど、思いもつかないバンドからインスピレーションを受けたり、色んな音楽を聴くってことを二人は知っているんだ。それが、とてもチキン・リップスの音に反映されてるんだと思うな。
S - 基本的に、クラシックなスタイルで音楽を作っているって言えるんじゃないかな。昔の制作とはちょっと違う、独自のスタイルでやってるけど。
A - スティービーはチキン・リップスの一員だと思うよ、ディーンと何かに取り組んでると、スティービーに相談しようってなるんだ。そして、彼は 「これがいいね」 と言うんだ。これって、全部、スティービーに責任があるってことかな!
S - はっきり言えるのは、レコードを買ってくれる人達が10秒で、これはチキン・リップスによるミックスなんだってことを分ってくれることかな。チキン・リップスが独自のサウンドを持っていて、みんなが分かってくれる。今回のニュー・アルバムでも、とても挑戦的だよ。過去に作られたモノを作るのは、結構簡単だけど、フォローをするより、彼らはやりたいことで時代をリードしているんだもん。さすがだね!
8. ヨーロッパでCHICKEN LIPSの反応、状況は? Chicken Lips
S - リアクションはこれまでスゴクいいよ。クラブによって、クラブ向けのトラックの反応がよかったり、数カ月後に分かることもあるよね。
S - DJとして、時々お客さんはいつもと違うDJプレイを求めたりする時もあるよ。みんなが好きなチキン・リップスの部分はそれぞれ違うし、アシッドのミックスを買ってる人達からは、クラブでそういうプレイを求めるからね。そして、僕は全く違うことをしてみたり。逆にね。これはとてもいいことなんじゃないかな。何でも出来るから、彼らはジャンルを超えたし、僕は何でもプレイ出来る。実際どう見られてるか分からないけど、国によっても違うと思う。例えば、ドイツもまた違うし・・・。反応はいいと思うよ、まだ仕事してるしね!
9. 音楽をプロデュースしたきっかけは?
A - 音楽を聴いてたら、フラストレーションがたまってきて、むしょうに音楽を作りたくなった。姉から、それにモータウンとか色んなインスピレーションが、音楽を作るきっかけになったよ。それに、父親の弟がエレクトリック・ギターと楽器を持ってたんだ。音楽を聴いて、音楽を作りたいと思ったね。
A - そしてエレクトロニックス、電子機械、音、DR.JOHNなんかも。
 
10. 音楽はよく聴いてましたか?
A - 親の影響でモータウン、ソウル、そして姉からはロック。
D - 弟はディスコ、ファンクとジャズにハマってた。彼のレコード・コレクションを今、持ってるんだけど、70年代と80年代を全部カバーしていているんだ!僕が音楽を作ろうとするきっかけとしては、十分だったよ。ディスコ、パーラメント、アトモスフィアー、こういう刺激的でビッグなディスコ・クラシックスは、すごく影響されたね。
11. 楽器はどのように習いましたか?
A - ギターは習っていたんだけど、途中で挫折してさ。ヴァイオリンもヴォコーダも試したけど、止めちゃった。最終的にはフラストレーションがたまって、自分で何かをやりたいと思ったんだよね。結局、独学でどの楽器もある程度は弾けるようになったよ。今は、大体は自分で弾いて作って、レコーディングは誰かにしてもらってる。
S - アンディーはすごく上手いよ! 全ての楽器を演奏出来る人なんて、なかなかいないからね。
A - 決して、上手いプレイヤーではないよ。
JULIAN (ジュリアン) JU - 鍵盤も弾けるんだよね。
S&JU - 独学だね!マッドだね!!
 
12. なぜこのフォーマットの音楽を? Chicken Lips
JU - 常に変化し続けてるよね?
A - ほとんどはディーンが最初に何かをかけて、二人でこれをやろう、あれをやろうと言い出して、そこから始まるんだ。全ては何を聴いてるかによるよ。
D - 新しくないといけない。やったことのあるサウンドだったら、違うモノに行くでしょ。前のアルバムと違って、新しいアルバムでは、レゲーとロックの影響をかなり受けていると思う。前作はもっとダブっぽかったでしょ。今回は、ジョニーもヴォ−カルで新しいアルバムに参加してくれて、全曲ヴォ−カル曲だしね。クラブでもかけられるけど、本当のリスニング向けのアルバムでもあるし、クラシックなフォーマットでもあるんだ。ムードによるかな。ファンク・モード、エレクトリック・モード、シンセとドラム・マシンで全てを作りたくなるエレクトロニック・モードなんかだったり、ね。一週間、ベース、ギターとドラムをレコーディングした生楽器のセッションだったりもする。本当に、よるよね?
全員 - エクレクティックでムードによるよね。
A - 音楽を試聴してから必ず始まるとね、みんなでここで話しをして、レコードを聴いて、ベースラインが気に入ったら、このベースラインをパクろうと言ったりとか!
A&JO&S - みんな、そうしてるよ。インスピレーションだよ。そういう感じで前に進んでいくんだ。
13. CHICKEN LIPS以外でのみんなのプロジェクトは? Chicken Lips
A - いっしょうに違うプロジェクトもやってるんだよ。他にも、チキン・リップスとは関係のないプロジェクトもやってる。例えば、チキン・リップスのダークサイド・プロジェクトみたいな、SPEAK 200、EMPEROR MACHINE (エンペラー・マシン)。ディーンは色んな別名義でプロジェクトをたくさんやってるけど、今、彼がやっているのは知らないな。
S - GUNT GUNT?
D - スティービーといっしょうにDC RECORDINGSでやってるよ。
A - それぞれ自分のプロジェクトがなかったら、おかしくなるよ。別々で他のことをやって、刺激を受けて、そしてまた戻って一緒になる。これって、健全なんだよ!
14. ニュー・アルバムは80年代NYCサウンド?
A - 4曲は全く違うね! 他のトラックには、もっとロック的な要素を取り入れたし、ヴォーカルのアレンジは全てジョニ−が担当したんだよ。彼は、今回のアルバム制作と構成に関して、重要な役割を果したんだ。ジョニ−は何を聴いてたのかは知らないけどね。
JO - 多分、みんなと同じモノだったと思うよ。確かに、デビット・ボウイは好きだから、すごく影響される。特に、君達と仕事をすると、ボウイは必ず入ってくるよね。
15. タレンティーノの雰囲気があると思うんだけど?
全員 - ワオー! いいね。
S - クエンティン・タレンティーノの秘法のことだよね?
A - 全てをねじることが大切。ジョニ−のヴォ−カルと歌詞は本当にいかれてる!
16. 何について歌ってるの?
JO - それなりに感慨深い歳を迎えてさ、それについて歌ってるよ! アルバムがリリースされたら、歌詞はアートワークの中に書かれるから、分かるよ。アルバムを聴いても、簡単には分からないと思うけど!一緒に、みんなと仕事したことはラッキーだったよ。アルバムはストーリになっているんだ。歌詞を読めば、きっと分かるんじゃない。
D - もう日記だろ!
17. アルバムの出来に関しては満足はしてる?
A - YEAH!
JO - まだ聴いてないよ!
JO - 送られてきた各トラックを徐々に聴いていると、どんどんよくなってきてた。ばらばらだった一曲一曲が繋がってるように感じたね。すごく満足! みんなはどう? もちろん、アーティストとして、理想を常に目指して、よくしていかないと意味がないけどね。
18. DJ KICKSについては?
A - スティービーがやったよね。
D - みんなで集まって、レコードを集めた。60年代から現在までのバンド、プロデューサから影響されたレコードをピックアップしたんだ。3、4年後に振り返ってみて、今の時代を象徴するようなセレクションではなく、クラシックスをなるべく一枚のCDにいっぱい入れるように考えてみた。それも、ミックスCDではなく、綺麗にブレンド出来るレコードになって満足してる。
S - そしてこのK7!のシリーズはとても有名だよね。これやって、DJとして、前より色んなところに行けたし、やってよかったと思う。彼らは、いいプロモータでもあるよ。みんな、このコンピレーションで僕らの違う面が見れたと思うよ。オープンにして、僕らが色んな音楽が好きなんだってことを伝えられることはいいよね。 Chicken Lips
19. 「MEETING AT THE FREEZER」については?
全員 - エクレクティックでムードによるよね。
A - 名前がどこから来たかは教えられない!みんなで座って、一日中音楽を作って、笑って!前のアルバム「EXTENDED PLAY (エクステンディット・プレイ)」のことを言ってる? ファースト・アルバムのこと? グレッグ・ウイルソンって言うDJがいて、ディーンは彼の80年代オリジナル・ミックス・テープを見つけたんだ。そして、アイデアとしてだけど、編集されたカット&ペイストのアルバムを作るのにすごく影響された。一ヶ月で作ったんだ。めちゃくちゃ早いでしょ。
D - ノリですぐに作っちゃうタイプのアルバムだったね。グレッグ・ウイルソンに影響されて、あのテープは、1982年頃のものなんだ。初期のエレクトロから、ソウルにクロスオーヴァするあたりまで、「PLANET ROCK (プラネット・ロック)」が一番有名だよね。TEE SCOTT (ティー・スコット)によるプロダクションズ、ソウルとエレクトロニックスが出会って実験的になり始めた頃かな。僕らが感じてたヴァイヴだったね。
数日間で一つのトラックが作れた。まさにヴァイヴだった。
20. クラブは?
A - 昔は、クラブによく行ってた。当時、ディーンはQUADRANT PARK等 (クアドラント・パーク)によく行っていたと思う。
D - エレクトロが流行ってる頃には、ROXY CITY (ロキシ・シティー)に行ってたよ。友達のブレイクダンス・クルーのDJをやってたんだ。そこからハウスが来て、一番大きいハウス・クラブHACIENDA (ハシエンダ)、そしてロンドンにもよく行ってたなあ。
S - あの時代にはやられたね!よく覚えてないけど・・・。イギリス中で、マンチェスター、ロンドンで、本当にいいクラブがいっぱいあって、ブライトンでも、TONKA (トンカ)パーティ、ハ−ヴィ−のMOIST (モイスト)、GARDENING CLUB (ガーデニング・クラブ)等、あの頃のスタイルとしてオール・ジャンルで音楽をかけることは、今によく反映されてるし、サイクルが一周したような感じがする。面白いよね!
80年代の音楽はかかってたし。よく遊ぶに行ってたな。今は、行かなくなったけどね。
JO - 音楽をやってると、遊びに行く時間がなかったりするよね。久々に帰ってきて、遊びに行ったけど、よかったよ!
21. ラジオは?
S - ラジオは大好き! 古い曲がかかるRADIO 2がいいね。この間、KATE BUSH (ケイト・ブッシュ)の新譜のアルバムを聴いたよ、LINDSTROM(リンドストローム )っぽくって、いいアルバムだった。RADIO 2を聴いてるからかな。自分の人生を寂しく感じるんだけど・・・。
JO - RADIO 1は唯一のラジオ局だったけど、コマーシャルばっかりになって、RADIO 2はJIMMY YOUNG (ジミ−・ヤング) だったり、お母さん向けの音楽をかけていたラジオ局だったけど、今は違うよ。音楽が好きな人達向けの理想的なラジオ局でしょ。何でもかかってるよ。
S - ロンドンほど、海賊ラジオ局が多い街はないね。 HOUSE FM, BREAK FM等、数は凄い、そして、今はインターネット局のおかげで、どこにいても素晴らしい音楽が聴けるよ!
A - そしてオンラインでアップされるDJミックスもある。例えばPURE PLEASUREとか、状況はいいと思うな。
S - イギリスではラジオ文化は凄い!フランスみたいにね。
Chicken Lips
22. デジタル・ダウンロードについては?
JU - 変化が早いよね。今は、中間の時期にきてるんじゃないかな。過去のモノも、まだ存在してるけど、新しいカルチャーが来ている。アナログ盤のフォーマットは、専門的で健康的な分野として確立しているけど、売り上げが大きく下がってるよ。ここ6ヶ月でデジタル・ダウンロードは2倍に増加した。i-tunesでチキン・リップスが買えるよ。アナログ盤はダンス・ミュージック・コミュニティー内ではもっともかかせないフォーマットだけど、インターネットから音楽をダウンロードすることが当たり前になった今とは、現実がずれているんだよね。そこに問題があると、ダンス・コミュニティーでは議論されている声もあるよ。
S - レコードを運ぶことが耐えられなくなって、ついにファイナル・スクラッチを使ってる!
JU - クリエイティブにうまくラップトップを使ってるDJはいっぱいるよね。
S - 色んな風に音楽がかけられるし、人からもらう、お店でまだ売られてない音もある。テクノロジーを取り入れないといけないと思う!前回、日本に行った時は、アルバムからの曲を結構かけていて、ファイナル・スクラッチがなかったら、プレイ出来なかったと思うな。CDはあまり好きじゃないけど。本来のやり方が一番だけどね。
23. ニューアルバムでのチャレンジ?
A - ディーンが12時に起きること!
A - 楽しむこと、終らせること、シンガーと仕事すること。
JO - 僕が、彼らに素材を送ること自体、半分は違った制作の仕方だったけど、最終的にうまく行ったと思うね。
A - 基本的に一つのトラックを作るのに一週間かかったよ。ミックスダウン等も含めて、このアルバムを作るにあたって楽しくやりたかったし、違うこともやりたかった。それに、みんなが求めて待っているモノにもしたくなかったんだ。驚く人は多いと思うけど、そこんとこを期待している人達もいる。だから僕らにとっては大きなターンだったんじゃないかな。とてもいいことだと思うし、この世界ではかかせないことだと思う。
D - エレクトロとダンスフロア向けのアルバムを作るのは簡単だったけど、そういう意味では、全然挑戦ではなかった。今回の大きいチャレンジは、ヴォーカリストと作業をして、そして、タイムレスなモノを書くことが大切だった。僕らの番がきたんだよ。
S - ヴォ−カルとやることは大きいな違いだよね!
A - ジョニ−とのやり取りは最高だったよ、ジョニ−からトラックが帰って来る時は、CDとヴォ−カルが書かれた長いリストが帰って来て、コンピュータにロードすると、必ず最後の方にジョニ−が面白いアドリブをやっててさ。本当にくだらないことを言うんだよ、「スタットフォード元気?」とか(笑)
D - ジョニ−との制作進行上でのやり取りも、一つのチャレンジだったよね。ジョニ−がスペインからヴォ−カルのパーツをこっちに送って、僕らは彼に送り返して。とてもうまく行ったと思うよ、ジョニ−はスタジオに来るより、自分の環境で作業が出来て、好きなことをやり切ったんじゃないかな。 Chicken Lips
JO - だからこんなに時間もかかったと思うけどね。
A - 彼の歌詞は見事だと思うよ。本当にいい。
24. アルバムの制作については?
A - MACのLOGICを使って、ディーンからドラムをもらって、場合によっては、シンセまたはギターをのせて、好きなモノが出て来るまで演奏する。
JU - ライヴが結構多いね。トラックのベーシックはある程度ライヴだよね。 Chicken Lips
D - リスニング・アルバムにするための最大のチャレンジは、チキン・リップスのヴァイヴを保ちながら、前に進むこと。最後のアルバムは3年前だったから、かなり時間もたってるだろ。みんなは、多分、期待してると思うし、その間にリミックスをいっぱいやったから、音楽的には結構変わったよね。
JO - 3年経って、同じだったら悲しいよ!
25. コンセプト/メッセージは?
A - 80年代じゃないから、僕らがやっていることに、メッセージを残す必要はないんじゃないかな。ジョニ−の歌詞は、彼自身の日記、彼自身のメッセージだと思うよ。
S - 凄い歌詞がいっぱい。
JO - 日記みたいだよね、隠れたモノなんか無い。微妙な言い回しだけどね。 Chicken Lips
A - 僕らが最近聴いていた音楽が分かるよ。そして、「彼らは10CCを聴いていた!」みたいな。10CCは、今回のアルバムにすごく影響したんだよね。
JO - 知識があれば、どこから来てるかは分かるよね。影響がどこから来てるかも分かる。そして、オリジナルのアーティストも聴きたくなり、インスパイヤーされる。
S - あまりまじめとは言えないけど、歌詞はまじめ、でも、聴いて笑える!こういうヴォ−カルを書くのは結構難しいと思うよ。このヴォ−カルはとても面白いよ!
26. なぜジョニ−を?
D - 10CCと70年代のロックを最近よく聴いていて、ジョニ−はとても合うと思ったんだ。彼にはインスパイヤーされるよ。
JO -別のプロジェクト 「PSYCHEDELIC SMITH」で一緒にレコーディングしたことがあったんだ。それに、アンディーとディーンはずっと一緒にやっていて、10, 15年前からの長い付き合いで、お互いのこと、お互いのテイストとスタイルもよく知っているからね!
27. 制作期間は?
A - 大体1年はかかってるよ。リミックスで忙しくって、実際4ヶ月もかかったんだ。
28. アルバムのタイトル「MAKING FACES」は?
D - 奥さんが名前をつぶやいた・・・。アルバムに色んな違ったスタイルがあるから「MAKING FACES」、隠れたストーリはないんだ。響きもいいしね。
29. 機材について、ちょっと聞かせてください。
A - ここにある機材すべて! Chicken Lips
A - 一番いいモノは、シーケンシングのソフトであるLOGIC AUDIOだね。そしてフェンダーのジャズ・ベースとギター。フェンダーのストラップもあるけど、ストリングスは5年もついてまま。EMS-VCS3っていう、ぶっ飛んだ音を出すシンセ以外得に気に入った機材はないね。
JU - 最終的に、このミキサーのたくで全部がミックスされるんだよ。
A - ALLEN&HEATH (アレン&ヒース)のミキサーだね、すごく重要な役割を果しているよ。音が、とてもイイたくで、ヴィンテージのラックもよく使ってる。たくにはバルブがついていて、古い音を出すためにバルブを通して、全部がレコーディングされる。
A - ジョニ−のヴォ−カルは、こっちで弄って、レベルを調整して、EQをして、全部ここでアルバムは完成されたね。
30. DJと音楽制作の違い?
S - 大きな違いがあるよね、両方とも違ったスキルを要求されるけど、時にはDJも音楽制作も同じだったりする。DJは自分が楽しむことが大事で、悪い状況をよくするようにすること。それか、いい状況をさらによくすることが大切。レコードを作ることはもっと難しい。それは自分が楽器を弾けないからなんだけど、もし色んな楽器が弾けたら、また違っただろうな。両方ともスキルが要求されるけど、どちらもレコードを聴くことから始まると思うんだ。前は、今よりよく遊びに行って、色んなDJ達を聴きに行ってた。大事なのは自分もスタイルを見つけることだね! DJは最高に楽しいよ。
31. アルバムのアートワークについては?
JU - まだまだ、最初の段階だね。PHIL(フィル)が、僕らのデザイン・ワークを全てやっているんだ。フリーランスとして他のレーベルとも仕事をしてるよ。前のチキン・リップスのアルバムの時、一緒に仕事をしたんだ。
A - ジュリアン、ディーンとフィルがアートワークをやっていて、僕はあえて彼らに任してるよ。
32. ディスコグラフィ−について お気に入りのリミックスNIGOの「MARCH OF GENERAL」のリミックスをやったきっかけなど。
Chicken Lips
D - JAMES LAVELLE (ジェームス・ラヴェル)から電話があった。「猿の惑星」から色んな音、声、会話等が入っていて、とても面白いリミックスの仕事だったよ!
A - 最初にクラブでかけた時は、フロアーから人がみんないなくなったんだ。シンセを思い切って弾いちゃったんだ。本当に最高だね!
D - 今でも色んな人からリクエストされる曲だよね。
A - MORCHEEBA (モーアチバ)のミックスをやった時もよかった! 面白かったね。
D - MORCHEEBA, SUPERGRASS (スーパグラス), PLANTLIFE (プラントライフ)。
S - THE KILLS (ザ・キルズ)のリミックスが大好きだよ!
A - マドンナのニューシングルもやったけど、本人からNGが出た。
JU - あれはとてもいいミックスだったけどね!
A - レコード会社もとても気に入っていて、相当な金額を前もって支払ってもらったんだよ。マドンナ本人が気に入らなかったらしい。
S - 2年後に気に入るんじゃないの!
D - AIR (エール)のレーベルからSEBASTIEN TELLIER (セバスチャン・テリエ)のニュー・シングル、HARDFIND (ハードファインド)、THE KILLS。
A - ジョニ−のヴォ−カルは、こっちで弄って、レベルを調整して、EQをして、全部ここでアルバムは完成されたね。
JU - ここ数年でものすごい数だよね。STEREO MCS (ステレオ・エムシーズ)もやった。
A - TIGA (ティガ)。
D - 明日、スティービーのレーベルのためにCHAS JANKEL (チャス・ジャンケル)のミックスをやるんだ。
S - サイド・プロジェクトだね、何曲かやって、その内GIORGIO MORODER (ジョルジオ・モロデア−)のカバーをやって、これは面白いプロジェクトだよ。
D - フェ−ヴァリットをあげるのは難しいね。
S - NIGOのリミックスは未だにレコード・ボックスに入っているよ。
JU - HEADMAN (ヘッドマン)のリミックスも最高だったね!
JU - 本当に色んなスタイル、色んなバラエティーのミックスがあるからね。
S - いいリミックスのコンピになるよね。
D - NIGOとBENTLEY RHYTHM ACE (ベントリ−・リズム・エース)のリミックスはチキン・リップスの名前を世に知らせたきっかけだったと思うな。同じヴァイヴで、NEW YORKディスコ・パンク系で、その後はノンストップだったよ!

S - この二つのリミックスが出た時は、ハウス・ミュージックがつまらなくなっていた。KENNY HAWKES (ケ二−・ホークス)のパーティでNIGOのリミックスがかかった時、ハウス・ミュージックのパーティなのに、クラブにいた全員のDJが「これは何、これは何?」と言ってブースに駆けつけたもんね。話題になったな。
とてもいいミックスだったよ。

A - スタジオがまだ二つに分かれていた時、小さなコントロール部屋があったんだ。そこで座りながら・・・思い出すよ!
JU - クラブの反応で言うと、NIGOとBENTLEY RHYTHM ACEのリミックスは注目されたね!

33. NIGOについて?

Chicken Lips
D - 彼の洋服は最高だよ、大好きで、本当にユニークだよね。
S - A BATHING APEチキン・リップスによるコラボレーションのシャツは?
A - ディーンはかなりインスパイヤーされてるね。
JU - イギリスではとてもリスペクトされてるレーベルだしね。
S - 昔から洋服と音楽と関係はあったよ、アンダーグラウンドな洋服のレーベルとレコードはね、例えばSARCASTIC、GOOD ENOUGHとか。
Chicken Lips
34. 日本については?
S - 日本に行くのは大好きだ。世界で唯一本当に好きなレコードがプレイ出来る場所だよ。ゲイ・ディスコが多くかけられるからいいよ。日本からヨーロッパに帰って来ると、2週間は調整期間が必要なんだ。みんなが「スティービー頼むよ!」って言ってくるから、日本でディスコをいっぱいかけてしまって、レコードを作ること、プレイすることにすごくインスパイヤーされるんだよね。 日本はとてもインスパイヤーされる国で、人もとてもいい。しかも、音楽が大好きで、何に関しても、とても詳しいよね。音楽オタクだね! チキン・リップスも大好きだし。リキッド・ルームで初めてプレイした時、思ったね。これまでやった中で一番いいパーティだったかも!って。お酒もちょっとしか飲んでなかったのに、7時間も! 最高だったよ。本当に特別な国だよ、日本は。
A - 日本には行ったことは無い。音楽的には、YELLOW MAGIC ORCHESTRA、80年代日本のディスコ、エレクトロニック・ミュージック系のヤバいコンピレーションは持っていて、すごくインスパイヤーされた。
D - 坂本龍一、「RIOT IN LAGOS」にはとてもインスパイヤーされたね。
A - 「LIZARD (リザード)」って言うバンドがあるんだけど、チキン・リップスのセカンド・アルバムに影響したよね。
A - もちろん、日本のテクノロジーにも影響されてる!
Chicken Lips
35. 最後にメッセージ
A - 誰か、日本でオススメの機材のお店を教えてくれないかな?
A - 期間を決めて、チキン・リップスをバンドとしてツアーさせたいのが夢。ジョニ−にチキン・リップスのバンドを任せて、ミュージシャンを選んでもらいたい!まずアルバムが出てから、みんなの反応を見てから考えよう。
JO -ライヴは大好き! 是非やりたいね。フルバンドはお金もかかるから難しいけど、何らかの形でこのアルバムに合わせてスペシャルなことはやりたい。様子を見てから考えて行こうよ。
全員 - オープンマインドでアルバムを是非エンジョイしてもらいたい。今までとはかなり違うモノに仕上がったから、踊る人もいるかも知れないね。
 
2005年12月22日 スタッフォード/アンディの自宅スタジオにて
Interview by ALEX FROM TOKYO
photo by Akiko Kano

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